2026/09/24 22:41

かつて、文字を持たなかったミャオ族の人々は、古くから伝わる神話や自然への畏敬の念を、
自分たちの身にまとう衣装や布の文様に刻み込んできました。
そこには、単なる「飾り」にとどまらない、深いストーリーと祈りが息づいています。

すべての命の源流──「蝶」と「変容の思想」
ミャオ族の神話(口承叙事詩『苗族古歌』など)において、万物の母とされるのは「蝴蝶媽媽(蝶の母)」です。彼女が産んだ卵から、人間だけでなく、雷や龍、そして様々な動物や自然物が生まれたと伝えられています。
そのため、コースターに多く描かれる蝶のモチーフは、子孫繁栄や民族のルーツそのものを象徴する
最も神聖な存在です。また、よく見ると蝶の羽や胴体には鳥や魚のシルエットが重なり合っているものもあり、
自然界のすべての命が互いに繋がって変化していく(メタモルフォーゼ)という、
ミャオ族の根本的な宇宙観が表現されています。  

自然の恵みと守りの文様蝶のほかにも、様々なモチーフが布の上で描かれています。
鳥:神界と人間界をつなぐ使者であり、祖先の魂や平和の象徴。   
魚と水波紋:絶え間ない生命の循環や、生活の豊かさ、大漁・繁栄への願い。
幾何学・網目模様:亀の甲羅や網目を思わせる緻密なデザインは、暮らしを災いから守る「魔除け」としての役割を持っています。   

日々のティータイムに、手仕事の物語を幾何学的な美しさの中に、自然への愛と切実な祈りが込められたミャオ族のバティック。
お気に入りの中国茶や日本茶を淹れ、お茶請けを乗せる茶托として使うたびに、遠く山あいの文化や職人の手仕事の温もりがそっと寄り添ってくれます。   ぜひ、あなただけの一枚との一期一会をお楽しみください。